オーストラリア再挑戦の旅  
小島克生   
「また来たの!?」
 5年前、部報でも報告したように、オーストラリア大陸のど真ん中にあるエアーズロック(AYERS ROCK:本来の名称はウルル:Uluru)に強風のため登山禁止となり、涙を呑んだため、再度挑戦したので、皆さんの後学のためにも報告いたします。
 オーストラリアはほとんどの都市が海岸沿いにあり、内陸部は広漠とした大地が広がるという感じである。ケアンズから向かう飛行機の窓からのぞくと、そこに世界最大級の一枚岩が忽然と赤茶けた姿を現す。出迎えのオーストラリア人ガイドに、2回目だと告げると、「(2回も来るなんて)珍しいですね」と言われた。(いらんお世話だ)
 砂漠のど真ん中の唯一観光の拠点となっているエアーズロック・リゾートにあるホテル「デザートガーデンズ」に宿泊した。先回の「セールズインザデザート」よりは格下らしいが、十分リゾートホテルの雰囲気はある。先回同様にリゾート内のイタリア料理店でビールとピザなどで昼食を済ませ、スーパーマーケットで水を買った(1人水1リットル必携義務あり)。
 何億年も先に、ウルルが雨などでだんだん浸食され、谷が深くなり、いくつかに分かれた状態になった姿が、ウルルの近くにあるオルガ岩群(本名:カタジュタ)で、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」の舞台を着想した場所と言われている。先回と違う谷をウォーキングしたが、気温上昇でルートが途中で制限されていた。熱中症で倒れる人が多いとか。ガイドが途中で何回も水を飲むように指示する。夕方は、夕日でさらに赤く染まるウルルを眺めながらのサンセット・シャンパンパーティでほろ酔い気分。
「えっ!どこに雨雲?」
 翌日はいよいよサンライズ登山のため、朝3時起きで、南十字星を見た。大き目の偽物でなく、少し小ぶりものが本物の十字星。こんなに多くの星があったのかと思うほどの天の川が地平線の端から端まで流れていた。
 日の出と共にウルルの色が変化するのを、朝食をとりながら眺め、いよいよ登山口へ。自然保護官が毎時、天候等の状況を判断し、入山許可を出すのだが、午前7時現在、雨の予報(2時間以内)のため登山禁止! 「えっ!どこに雨雲があるの?」 360度、地平線を見回すと確かにはるか彼方に微かに黒雲が見え、半径300km以内にあるとだめだそうだ。少し、周りをうろうろして、次の8時の判断まで待つとする。  いよいよ8時になってみると、今度は「気温36度以上の予報なので登山禁止」ときた。「おい!夏なら当たり前だろう!」と意気込んでも無理。飛行機の時間もあるので、今回もあきらめるしかなかった。結局、事故がよく起こるので、登山をできるだけさせないのだろう。冬場(5〜6月)の方が登山の確率は高いとか。「それを早く言えよ」と言いたいが、泣く泣くあきらめることにした。先回はリベンジを期して、「登れなかった」Tシャツは買わなかったが、今回はもう二度と来ないだろうから買った。「3度目の正直」といわれても、「2度あることは3度ある」ともいうので・・・・。悔しい!
美しい港町・シドニー
 先回は、ケアンズで、さんご礁のグレートバリアリーフ、世界最古の熱帯雨林クランダなどの世界遺産を体験したが、今回は名古屋市の姉妹都市シドニーを訪れた。オーストラリア最大の都市(人口約400万人、全国2000万人)で、自然の良港、最初の街でもあり歴史的な建物も多い。岩盤の上に立つので、レンガや砂岩で造られた100年以上の建物も多い。外装を残し、内部をリニューアルして活用しているようだ。そのため、旧市街地は道路拡幅もままならないせいか、自動車交通にとっては狭く、一方通行が多いし、港町らしく坂道も多い。英国式で、車は左側通行(エレベーターも英国風に1階はGで、2階が1F)。横断歩道の信号がやたら早く、車優先の感じがする(青になってから5秒くらいで「赤」の点滅になるので、横断半ばでびっくり)。ハリウッド映画のロケ地になることも多く、今回もある道路を全面閉鎖で新作の「スーパーマン」を撮影していた。「スターウォーズ」や「マトリックス」などのロケ地にもなったとか。ロケ地のほかにも撮影スタッフ等も優秀で撮影経費も安いのだとか。
 夕方シドニーに着いたが、夏時間のためショーボートクルーズの予約に間に合わず、ダーリングハーバーのシーフードレストラン『ニックス』を予約した。港に面したテラス席で地中海風の大皿料理(シーフードプラッター)で、ドーンと出てくるのはケアンズと同じ。店内では地元の客が大きな声でおしゃべりを長々と楽しんでいた。街は週末のためか夜遅くまで人出が多く、にぎわっていた。イルミネーションで飾られた大きなクリスマスツリーの近くでは大道芸人のパフォーマンスがあるなど、暑い季節のクリスマスというのは不思議な感じであった。
 翌日は市内観光とし、シドニー水族館から始め、ハーバーブリッジへ。この橋は車道8車線、鉄道2車線、歩道2本という世界一幅広の橋、橋のアーチの上を歩くツアーもある。その近くにオペラハウスを望む絶好のポイントがあり、そこは結婚式直後の花嫁花婿が記念撮影するポイントにもなっていた。引き立て役の男女が数人ついて来るのが面白い。

 オペラハウスは国際コンペでデンマークの建築家ヨルン・ウッツォンのデザインとなったが、岡本太郎も最終選考に残ったとか。予算がかかり過ぎるとして選考から外れたらしい。しかし、採用されたヨルンの案も予算オーバーで議会でもめて、ヨルンは故国に帰ってしまった。(高校生の頃、この経緯を雑誌「新建築」で特集しており、毎号立ち読みしていた) そんな騒動とは別に、海はすばらしくきれいで、奥深く入り込んだ自然の良港を白帆の大型ヨットが数多く行きかっていた。
 オペラハウスから、シドニーを一望できるシドニータワーへ。
 市の中心のショッピングセンタービルの上に地上250m(海抜325m)に展望台があり、その屋上を、命綱を付けて歩くツアーがある(怖いのでやめたが)。ビルの中には、3D映像と画面に合わせて動く座席(万博のアメリカ館のもっと激しいもの)でオーストラリアの自然をバーチャル体験されるツアーも良かった。展望台に上がるエレベーターが遅いのには参った。日本製ならあっという間であろう。シドニータワーから、ハイドパーク(その一部に姉妹都市締結記念のナゴヤガーデン)、セントメリーズ大聖堂などを歩き回って、ショーボートが出港するダーリングハーバーへ。
 外輪船のショーボートで、ディナーの後にパリのリド風のキャバレーショーやテーブルマジックショーを楽しみながら、時々デッキに出て、酔い覚ましと夜景も楽しむ2時間半ほどのクルーズだったがなかなかなもの。同行人も満足したが、免税のブランド店を通り過ぎるだけだったのが心残りのようだった。
 まだまだ見るべきところは多いのだが、時間と予算の限りもあるので、またのお楽しみとすることになった。
 何か参考になればと思います。

エアーズロック ベイブリッジ
オペラハウス サーキュラーキー港町
シドニータワーからの遠望 ショーボートクルーズの外輪船