少年Bの場合
 「入部当時は部員が多くてあまり乗れなかった」と言う,馬場少年とK子チャンとで三人乗りしました.
 B少年が急に無口になったので「どぅしたん?」,B:「エェ,ボクちょっと気分良くないんですけど」,「船酔い〜?そんなことはにゃぁヤロ,クルーザーで酔う人間は多いしオレも酔うことあるけどディンギーは知らんデ」と本気にしなかったのですが,「でもホントに具合悪そうよ,私もちょっと〜」とK子チャンも言うので,「なんや,オレのツラ見てると気分が悪くなるとでも言うんか.でもマァ,調子悪いのを我慢して無理矢理遊ぶこともないヤロ,しばらく陸で休んでナ」とハーバーへ引き返しました.
 ディンギーで船酔いというのはB少年くらいのものですが,その後もチンした時コンタクトレンズを2枚とも流したり,ヨットレース大会でその童顔が受けて女子高生にえろぅ慕われたりと,彼はいろいろ話題を提供してくれました.

  <ちょっと脱線
 B少年の少し後に,役所に就職してすぐに森氏からヨットの魅力を誇張して散々吹き込まれたあげく「ヨット部入らんと仕事教えてやらん」と脅されて(しかたなく)入部した,と言う英靖クンも初乗艇の時に船酔いしました.
 この時,K子チャンは先輩面して「ヘ〜酔ったんだって?この人,先が不安だネ〜」と英靖クンに対して言い放ったそうです.
 数年後,この英靖青年はK子チャンにとってワタシの大事なダンナ様〜となりました.
 K子チャンがクラブに残した貴重な教訓:
 "人の運命はどう転がるかわからないので,普段から言動には注意を払いましょう"
地下鉄工事屋のB少年
 ところである日,"今日のお勤めご苦労さん"で帰る途中に新瑞橋の交差点で信号待ち中,偶然横にB少年が立っていたので,小生が「うわ〜久し振りやの〜」と自転車にまたがったまま彼の肩に手を回したら,彼は一瞬恐怖の表情で振りほどいて逃げようとしたので,危うく自転車からズっこけ落ちそうになりました.
 B少年,信じられんくらい無情やな〜 「一緒にいた業者から"何者ですか?アレは"と聞かれて〜」と後日語ってましたが,まさか"精神異常者じゃないか"なんて言わんかったやろちゃんと"大恩あるヨット部の先輩"と説明したやろぅナ.


Figカッコだけは一人前(ヨット教室にて) 
Y子チャンの場合
 ヨット部の関係ではB少年の誤解と似た経験は別にもあります.
 ヨット教室で小生がお相手したYチャンは,入部の相談も受け,"二,三度練習に来てから決めればえぇャ"と答えていたのですが,一度来ただけで即入部したやる気十分の女性です.

 クラブの総会(という名の飲み会)に出かけるためバスに乗ったときのこと,次のバス停で同じ目的のYチャンが乗って来ました.
 最後尾の席の小生は隣が空いていたので「こっち,こっち」と手招きしましたが,彼女はチラッとこちらを見ただけで横を向いてしまいました.どうしたんだろと「オ〜ィ」と手を振っても知らんぷりで他の乗客が皆不審そうに後ろを振り向いてこちらを見ています.
 "このヤロウじゃない,ネエチャン,先輩のこのオレに恥じかかせよって"と立ち上がって歩み寄り,腕をつかんで「なんで無視すヤ」.
 彼女もやっぱり一瞬恐怖の表情で逃げようとしました.そして,顔を見て「な〜んだ」
 席に座って「乗った途端,へんなオジサンが大きな声あげてるから関わり合いにならないよう,目を合わせちゃダメと思った.」だって.

 [余談−名古屋は大都会

 他にも,職場で掃除婦のオバチャンからふいに「ゴメンネ〜」と謝られたことがありました.
 なんのゴメンかすぐ分からなかったのですが,どうもオバチャンは小生のことを"ちょっとおかしい,お脳が弱いじゃ?"と思っていたらしく,その誤解に対する謝罪のような・・・
 愚妻に言わせると「知ってる人を見ると場所も何も考えずすぐに声をかけるんだから,それも普段通りの大きな声で.回りはみな田んぼの田舎じゃないんだからネ」.親しい友人からも「アンタ,知ってる人見かけると声かけんと気ぃすまんのやナ〜」.
 ---それがど〜して悪いんじゃ.たとえ相手がどこの人間だろうと"チワ〜"でニコッとなって,ハートの通じ合いがここから始まるんやないか.

  Y子チャンが「美州」遊びに来ました.
 Y:「オ友達二人連れてっていい?」,「オトコのオじゃないやろぅな,女のコでも一人にしてくれんかナァ,オレ人見知りするタチだからョ,知らんコ二人の面倒見はちょっとナ〜」
 ところが当日,彼女は三人連れで現れ,「連れてきちゃった,いいでしょ」.見るとなかなか可愛いコだったので「いいサ〜,もちろん」,Yチャンは「ダメとイイはどこで分けてるのぉ?」
 しかし,この日"出航準備 機関始動"を愚息に指示してしばらくすると,ピーの鋭い警告音が.
「何やったんじゃ」と覗きこむと冷却水警報ランプが点滅しています.スターンを見ても水が排出されていません.
 「参ったナ〜冷却水が回っとらんガヤ」で,冷却水入り口が詰まっている可能性を考え,潜水作業と相成りました.
 水中で船底にへばりつき,念入りに点検・掃除したのですが,回復せず.
 「これはエンジン側だナ〜」しかたなく,出航しようとしていたヨットに,「ゲスト三人乗せてもらえませんか」と頼むと「アァいいですヨ」.But,ギャル三人と分かると急ににこやかに「どうぞ,どうぞ」.
 あとは,愚息兄弟は海岸へ遊びに行き,愚妻は昼寝,小生は一人でマニュアル片手にエンジンと格闘.
 午後遅くなってY子チャン達は「楽しかったヨ〜」と,帰って来ました.
 ときにはこんな楽しくない日もあります.
 その後,このトラブルは冷却水ポンプのゴム製羽根がいかれたのが原因と判明し交換してOK.これからこの部品も予備が修理箱に入っています.


基クンの場合
 '88/07/10・第13回中部自治体職員ヨット競技大会(於:蒲郡ヨットハーバー)
 レース運営のお手伝いで愛知大学ヨット部のレスキューボート「高師」に乗っていました.
 この日はかなり風が吹いてチン艇が続出し,"こりゃやばいナ〜".
 で,近くにいた入部間もない基クンに「ギブアップの艇が出たらレスキュー隊の出番やからな.その時は若くてイキのいいのが飛び込むんや.ソ,キミのことヨ.ん?初めて?誰だって初めての時はあるワイ.助けられることより助けることを先に経験するのもえぇガヤ.」.基クンは緊張いっぱいの真剣な表情に・・・
 そのうち愛知県庁の艇がチンを起こせず"救助請う".で,飛び込み隊員の出番となり,「やることはこっちから指示すっから.よし,いけっ」.
 彼は飛び出して行きました.---そゃけど,そんな勢い良く飛び込むこともないのに.競泳のスタートじゃあるまいし
 レスキューボートからの(的確な)指示で基クンはなかなか手際良くチンを起こしました.が,力尽きて浮かんでいるだけの県庁クルー(もう一人はレスキューボートに収容)の引き上げには手こずり・・・
「荷物と思って引っぱり上げたれ〜だめか〜」,他のレスキュー隊員も「やっぱり出番とちゃう?」.結局,「しかたないかぁ」と小生も急きょ飛び込み隊員に.
 二人で引き上げた完全ダウンの県庁クルーを乗せてそのまま県庁艇でハーバーへ帰りましたが,着艇して「ウ,よくやった」と肩をたたくと,基クンの表情にはやっと笑顔が戻りました.

ヨット部20周年記念誌『SAIL ON V』<'92/11発刊>に,基クンは「チン起こしもよく知らないのに川浪さんの"そこの若いの,いけ"の一言で飛び込まされた」と書きました.
 しかし,ボカァそんなに横暴な先輩とは違います.その辺にいた誰でも良かったわけじゃなく,キミを見込んでのことなんやから


前Kチャンの場合
 ヨット部の空気にも慣れてきた前Kチャンと乗ったときのこと,
 午後になって急に腹の調子がおかしくなりました.回りは海ですからどうにでもなるのですが,やはり女性が同乗していてはやりにくく,「ちょっと用事思い出したから上陸する」とハーバーへ戻りました.
 用を済ませてからまた出て行きましたが,Kチャンが妙に考え込んだ風で,「お昼が悪かったのかしら・・・」 --- 昼食はKチャン手作りのおにぎりでした.(心のこもった,ついでにボツリヌス菌も.ワッ思ってもないこと考えてしまったぁ) 「そんなことないない,だけど,なんでわかったん?」と尋ねると,K:「着艇した後の走り方見ればわかる」.そして前Kはその後も,「でも・・・置いてるとこも良くなかったし,ゴメン・・・」と一人でゴチャゴチャ言い続けていました.
 で,「オレはウソも冗談も言わんオトコやから違うと言ったら違う.オレの腹は暴飲暴食で鍛えてあるからハエとかゴキブリ入りのおにぎり食ってもこわれへんワイ,今日はたまたま水で腹を冷やしたからや」.それから,「グチャグチャ言うならもぅ教えてやらん,こっから泳いで帰ってもえぇド」で,やっと黙りました.

 その後,"幸福の黄色いハンカチ"という映画を見た時,武田鉄チャンの姿にこの時の艇を降りて走る自分を思い出しました.カッコワル〜,同じKENでも高倉さんとはドえらい違いやなぁ.

 [余談その水中用足し法伝授]
 小生のヨットの師匠:堀江さんはスターンからぉケツをつき出して用を足したことがあるそうですが,小生は"水中ウ○コ法"です.
 それは,立ち泳ぎしながらきばってムギュっと一かたまり出すとすぐに(後ろは見ずに)すばやく平泳ぎかイヌかきで前進し,同じようにそれを繰り返す.終わったら出口を左手で洗いその左手は右手で丁寧に洗って,ハイおしまい.
海は広いナ〜大きいナ〜 プールではあまりお勧めできません)

 [余談その前Kと自前ライジャケ
 前Kが入部して間もない頃の話,
「オィオィ,ライジャケは1個でええネン」,「ハ?」,「それとも1個じゃ不安なくらい重いんか」,「ハァ?」.
「アッ,1個は自前かァ」.それでも前Kチャンは""でキョトンとしたまま.
 ”アカン,このイモねえは.ユーモアのセンスってもんがまるっきりやから高級なジョークが通じそうにない”とあきらめたあとで,やっと分かったようです.
 その後,ちょっとは波長が合って話が通じるようになってきた前Kチャンのカッパ着用を手伝いながら,「これホンマに全部自前?」とツンツン.
「ちょっとぉ,やめてヨ〜」と言いながらもさわやかな笑顔だったから別に本気で嫌がってはなかった,ゥン.
 セクハラ?イェイェ,ハートが通じ合っている仲ではそういう忌まわしい言葉は無縁です.

 記:Nov.-1988